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Feature

Get Creative! With コロナ時代の映像制作
#1リモート撮影の松竹梅
feat. 格内俊輔氏(オンラインエディター)

kana May 29 2020

緊急事態宣言が全国で解除され、”コロナ対策のお手本”と話題になったニュージーランドでは、来週にはアバターの撮影がいよいよ再開するとの報道が。気持ちを明るくしてくれる一方で、Withコロナ時代の”ニューノーマル”、”新しい日常”に対応した制作スタイルや、マインドセットを考えていくことも必要だ。NEWREEL.JPでは、「Get Creative! With コロナ時代の映像制作」と称し、With コロナ時代の映像制作のヒントを、クリエイティブにみんなで考えていきたい。初回はオンラインエディターの格内俊輔さんを迎え「リモート撮影の松竹梅」をテーマにお届けします。

企画協力
中村剛(Caviar)
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竹:ネクストレベルの安心感。
プロフェッショナル機材 TERADEK

竹からはぐっとプロフェッショナル向けになります。TERADEKは撮影現場の人において認知度は高いでしょう。Wi-Fiでビジコンを現場にいる広告主用のモニターに飛ばすとき、TERADEKのサービスをみなさん利用してきたかと思います。リモート撮影ではハードウェアを使っていきたいと思います。この上のスライドのロゴ横に写っているデバイスですが、カメラからここに映像信号を取り込んで、インターネット回線に乗せて飛ばす仕様になります。価格は約30万円です。

これの面白ところは、自宅にいながらにして現場オフラインのようなことが出来る点です。

──”自宅現場オフライン”、新しいですね。編集用のデータが飛んできてローカルに保存できるということですか?

ええ。説明しましょう。ホスト側のデバイスををエンコーダーといい、受け手のデバイスをデコーダーと呼びます。カメラのアウトから、映像がエンコーダーに入ると、リアルタイムでH.264の軽いデータにコンバートされます。このコンバート処理が早からこそ、インターネット回線にのせて高速で相手に送ることができるのです。高画質も担保でき、遅延は5秒位。僕の経験値から5秒はなかなか優秀だと実感しています。Zoomレベルの会話テンポを求められると厳しいですが、リモート撮影では許容範囲だと考えます。デコーダーが必要なのは、AvidやPremiereに取り込んで編集する人のみです。

──デコーダーも30万円に含まれているのですか?

それが、デコーダーもひとつ30万円するんですよ。ですから、資金のあるところはメリットを享受できるし、そうでないところは使えない。格差を生み、広げているんですね。

──視聴は無料ですか?

はい、無料のアプリをインストールがされていれば視聴できます。ただし、iPhoneやiPadといったiOS縛りです。ITリテラシーの最低条件にあわせることを考えると、事前にこのアプリがはいったiPadを配っておけると理想的ですね。

価格について、もうひとつ。本体代に加えて、通信費が発生します。ネット回線を使った分の通信費がかかる仕様です。TERADEK所有の回線は割と優秀だと思います。余談ですが、今、世界中でネットワーク戦争が巻き起っています。つまり、回線を買い占めたものが、未来の国際戦争において覇権をとるといった図式になっています。

──自宅や会社に引いているWi-Fiではなく、専用線を使うということですか?

こう考えてもらうといいでしょう。TERADEKが持っている回線は木の幹です。僕らが使っている4G、5G、Wi-Fiは枝葉の部分です。当然、枝葉もある程度太いほうが快適な環境で作業はできますが、根幹となる木の幹が太いほうが強いのです。

デメリットにいきましょう。「他に誰もユーザーがいない」ことです(笑)。

──これはどういうことでしょう(笑)?有名なメーカーさんですよね?

この商品は、2年前から発売されていたんですが、コロナ禍で発見された感があります。「こんな便利なものがあったんだ!なんで使ってこなかったんだろうって」というわけです。僕の知る限りで、周りで持っている人はいません…。マニュアルはあるのですが、誰にも聞けないので、自分で悪戦苦闘しながら使っている状況です。遅延5秒というのも自分のデータ値です。

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