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映像、最近見ていない – 細金卓矢の Playlist

細金卓矢 Oct 1 2017

映像、最近見てないんです。同業の友人に聞いてもかなりの割合で同じ状況なので、そういう時代なんだと思います。Vimeoが重いのが悪い。

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1 – Rez Infinite

Steam版が出たことにより、VRに対応。「Wipe Out」、「ジャンピングフラッシュ!」に並んでVR化が望まれていた作品なだけあって、相性が抜群でした。特にVRにおける定番になりつつある、視線によるカーソル移動とロックオンの設計がとても噛み合ってました。ステージ作りたい。

元々のゲームのデザインに関して。
インタラクションにおいて音と同期するものはたくさんありますが、その多くは後乗り、つまりクリックやボタンの入力に対して音が即座に反応するから気持ち良い、という設計が多いです。
その点、Rezはロックオンしてからビートに合わせて反応が返ってくるという遅延型の先乗りなわけです。
こうすることで、音の発音タイミングに先んじてオブジェクトが予備動作を始めることができるので、大いに気持ち良さに寄与しています。
決められた音に対しての先乗りは(プリレンダーの)映像の得意分野であり、多用しているのですが、Rezに関してはそこのいいとこ取りをしようという試みがあって、大好きです。

creator: Tetsuya Mizuguchi参考:水口哲也

2 – UNDERTALE

作者のToby Fox氏が性格が良い人なのか悪い人なのかは意見が分かれるところかなと思いますが、性格の悪い人の真摯な愛情にこそ心が動かされるなぁ、というのがゲームをやった感想です。
また、あらゆる創作物にも言えることですが、隅から隅まで個人が独裁的に作ったものが好きだな、というのを改めて思いました。必ず自力でクリアしましょう。

creator: Toby Fox

3 – Factorio

After Effectsで最も好きなエフェクトは「スライダー」、という怠惰な人間なので、「カルネージハート」に匹敵する時間の吸われ方をしています。
「Blue Ball Machine」という有名なアニメーションGIFがあるのですが(”Blue Ball GIF”で検索)、あれを巨大にしたものをつくれます。
何時間でも眺めていられる画って、静止画でも映像でもなかなかなくて、こういう構造そのもの、みたいなものなのかもしれないなと思っています。
そろそろ映像を1つもピックしていないことに自信がなくなりはじめ、無理やり映像の話に絡めようとしています。

4 – NUFONIA MUST FALL

カナダのターンテーブルDJ、KID KOALAによる、人形劇をリアルタイムでやり、それをリアルタイムで撮影し、プロジェクションされたものを見る、という狂った作品です。

人形自体は真っ白なものが使われているのですが、それによって能面のように光で変化する表情が際立って美しかったです。
照明効果も1/1スケールでは不可能な自由度の演出(例えば舞台では不可能な、飛行場の光を俯瞰でみせる、等)が行われており、映像のフレーミングによる効果も強力で、本当にいろんなところの良いところを高いレベルで融合させていました。

ここ数年、映像より映像以外のほうが面白いよなぁと思うのは、映像において使われている技法などが、他の領域でもあたり前になりつつあるから、かもしれません。

dir: K.K. Barrett参考:赤野工作

5 – The video game with no name

架空の未来のゲームの架空のレビュー、という体裁のSF。藤井隆氏の架空の商品に対する架空のCMとCMソング、というアプローチも近いですね。
著者の赤野工作氏、この設定からして決してまっすぐ健やかに育った方には思えないのですが、そういう方の注ぐ愛情が一番信頼できます。

Kosaku Akano

モーショングラフィックスディレクター。更新していないReelに2011と入れてしまった(しかも2010年に作ってサバを読んでいる)ことを心底後悔しています。

東京都出身、千葉育ち。現在ベルリン在住。国内外で高い評価を受ける「Vanishing Point」や文化庁メディア芸術祭大賞に選ばれたアニメ「四畳半神話大系」のエンディング、ボーカロイドIAのプロモーションビデオ「日本橋高架下R計画」など、活動領域は多岐にわたっている。

http://www.hsgn.tk