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スパイク・ジョーンズ監督のあの CM は(ほぼ)実写だった!

金井哲夫 Mar 29 2018

先日NEWREELでも取り上げ話題となった Apple HomePod の CM 。実写なのか? CGなのか? 多くの憶測を呼んだ本作だが、これを観れば一気に謎が解明する! ついでにスパイクのキレッキレの動きにも注目してほしい。

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Danilo Parra
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3月5日、スパイク・ジョーンズ監督による Apple HomePod の CM 「Welcome Home」が公開されて話題になったが、そのメイキング動画が  Adweek で発表された。

仕事に疲れて帰ってきた OL 役の FKA ツイッグスが、踊りながら小さなアパートの部屋を自由に広げてゆくというストーリーだが、その映像をどうやって作っているのか。CG なのか実写なのか、そこはしばらく謎だった。そしてようやく、このメイキング動画で明らかになったのは「ほぼ実写だった!」ということだ。

実物大の部屋のセットが、人が押したり引っ張ったり、レバーを引いたりして、さまざまに広がってゆく。思うようにいかずに失敗する様子も面白い。クリエイティブ・ディレクターのアルノー・ボッシュ氏は、監督が模型を持ってオフィスにやって来て、部屋が音楽に合わせてどのように動くかを説明したと話している。しかし、実際には「セットが揺れる」などの数々の問題があり、なかなかうまくいかなかったようだ。また、メイキング中に登場する本作のカメラマンは、映画「ダンケルク」の撮影監督を務めたホイテ・ヴァン・ホイテマ。一流のスタッフが集結して制作にあたっている。

実写セットも驚きだが、スパイク・ジョーンズ監督みずからが踊って振り付けを指示しているところにも驚かされる。セットの動きと音楽とダンスは、ジョーンズ監督、ファフィントン氏、ダンスコーチのセオ・ロー氏によって、綿密に計算されきっちりと組み立てられていたそうだが、振り付け師のライアン・ファフィントン氏によると、ストーリーを膨らませるために、曲の一部を拡張しているという。たしかに、Apple Sotre で販売されているアンダーソン・パークの「’Til It’s Over」と聞き比べると、曲が一部変わっている。

FaceTime を使ったオーディションの様子もまた珍しい。数多くのダンサーやミュージシャンのオーディションを行ったが、FKA ツイッグスが持っているキャラクターの豊富さと動きのレベルの高さを見て、「彼女ならできる」と思ったとファフィントン氏は話している。

Adweek によると、このメイキング動画を監督したのは VICE Media に所属するダニーロ・パーラ氏。VICE のテレビチャンネル VICELAND で数多くの番組を制作している。メイキングにしては珍しく、本編よりも長い7分近くある動画だが、「見せる」作品に仕上がっている。


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雑誌編集者を経て、フリーランスで翻訳、執筆を行う。

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