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レゴで自分の義手を作った高校生のミニ・ドキュメンタリー

金井哲夫 Mar 29 2018

生まれつき右腕のない少年が、大好きなレゴを使って、精巧な義手を作った! そんな彼のドキュメンタリーをぜひ観てほしい。

prod co
Great Big Story
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ヨーロッパの小さな国アンドラ公国の高校生デイビッド・アギラーは、生まれつき右の前腕がない。だが、大好きなレゴで自分用の義手を製作した。彼は、小さいころから、腕がないことで他人から奇異の目で見られてきたが、ごく普通の若者として育ってきた。EDM に夢中で、「ハンド・ソロ」という名前で活動している。

彼は幼いころからレゴが大好きで、なんでもレゴで作ってきたが、「文字通りそれが体の一部となった」のが9歳のときだ。レゴで自分の義手を作った。しかし、普通のレゴでは強度が不足していた。

実用的な義手ができるようになったのは、レゴ・テクニック(より高度なモデル作れるレゴセット)を手に入れた9年後だった。彼は、肘が曲がり、指で物が掴める本格的な義手「MK1」を完成させた。作るのに要した時間は、わずか5日間だった。

しかし、デイビッドはさらに進化した義手の開発に挑戦した。そうして生まれた「MK2」はモーターで腕が曲がる仕組みだ。

このミニ・ドキュメンタリーを制作したのは、2015年に設立されたアメリカの映像制作会社 Great Big Story。人や自然や食べ物などに関するミニ・ドキュメンタリーを多く制作している。2分から3分程度で見られるドキュメンタリーというのは、気軽に見られるうえに奥深く、けっこう面白い。

それまで平凡な高校生だった彼は、レゴで作った義手を持って学校に行くと、周囲の生徒たちの尊敬を集めるようになった。友人たちは「友だちとして誇らしく思うよ」と言ってくれたそうだ。

雑誌編集者を経て、フリーランスで翻訳、執筆を行う。

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