ヨーロッパの小さな国アンドラ公国の高校生デイビッド・アギラーは、生まれつき右の前腕がない。だが、大好きなレゴで自分用の義手を製作した。彼は、小さいころから、腕がないことで他人から奇異の目で見られてきたが、ごく普通の若者として育ってきた。EDM に夢中で、「ハンド・ソロ」という名前で活動している。
彼は幼いころからレゴが大好きで、なんでもレゴで作ってきたが、「文字通りそれが体の一部となった」のが9歳のときだ。レゴで自分の義手を作った。しかし、普通のレゴでは強度が不足していた。
実用的な義手ができるようになったのは、レゴ・テクニック(より高度なモデル作れるレゴセット)を手に入れた9年後だった。彼は、肘が曲がり、指で物が掴める本格的な義手「MK1」を完成させた。作るのに要した時間は、わずか5日間だった。
しかし、デイビッドはさらに進化した義手の開発に挑戦した。そうして生まれた「MK2」はモーターで腕が曲がる仕組みだ。
このミニ・ドキュメンタリーを制作したのは、2015年に設立されたアメリカの映像制作会社 Great Big Story。人や自然や食べ物などに関するミニ・ドキュメンタリーを多く制作している。2分から3分程度で見られるドキュメンタリーというのは、気軽に見られるうえに奥深く、けっこう面白い。
それまで平凡な高校生だった彼は、レゴで作った義手を持って学校に行くと、周囲の生徒たちの尊敬を集めるようになった。友人たちは「友だちとして誇らしく思うよ」と言ってくれたそうだ。