国際的な配車サービスのUberが東南アジア向けに制作した CM だ。ダンボール箱を自動車に見立てて、増え続ける自動車とその混雑ぶりを表現している。だから、ライドシェアで車の数を減らしましょうということだ。
Uberは、東南アジアを中心とした「Unlocking Cities」(街を解放する)キャンペーンを展開し、9,000人分の顧客アンケートとボストン・コンサルティング・グループによる調査をもとに、東南アジアの9つの都市におけるライドシェアの有効性を訴えている。
調査の内容は、このキャンペーンのサイト「Unlocking Cities」で見ることができるが、たとえば、混雑時に1人しか乗っていない車の割合は60パーセントであるとか、今のままなら2022年のジャカルタでは車が完全に動けなくなるとか、マニラのドライバー1人が駐車場を探す時間は年換算で23日間だとか、いろいろ。
そんな深刻な状況を表しているのだけど、いい大人がダンボール箱で自動車ごっこをしているようなこの映像は、滑稽で微笑ましくすらある。音楽もまたホッコリさせる。ディズニー映画「ジャングル・ブック」の挿入歌「ザ・ベア・ネセシティー」だ。「本当に肝心なものだけあればいい」と歌っている。
制作は数多くの CM を手がけるスウェーデンの INDO FILM 。監督は、CM の他に MV も多く手がけているアダム・バーグ氏。
撮影されたのはバンコックの市街。200人のエキストラが実際に箱を肩から下げて歩いている。その撮影風景はこちらで見ることができる。
また、無数のダンボールが渋滞しているシーンや、ビルからダンボールが崩れ落ちてくるシーンは、ポストプロダクションを担当した視覚効果スタジオ Swiss が CG で作っている。