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現実と非現実の狭間を浴びる
「最後の手段」のARMV「NEW 浴 VIEW」

金井哲夫 金井哲夫 Feb 19 2021

NEWVEW AWARD 2020の作品募集のためにEVISBEATSと組んで最後の手段が制作したARMV作品「NEW 浴 VIEW」ってもう見た? まだ見てないって方は異次元湯屋での摩訶不思議なひとときをどうぞしっぽりお楽しみください〜。

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Ayumi Arisaka, Oitama, Ren Kohata
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Evisbeats
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拡張現実(AR)を使ったMVという、じつに新しくてインタラクティブで楽しい作品なんだけど、どこの誰がどんな目的で作ったものか、このスジに詳しい人じゃないと、ぱっと見た限りでは頭がぐるぐるしてしまう。というか、自分のことなんだけど。ちょいと整理しましょう。

これは、「人々の太古の記憶を呼び覚ますためのビデオチームです」と自己紹介する手作り感あふれる映像作家集団「最後の手段」が、トラックメーカーのEVISBEATSと組んで制作したARMVで、タイトルが「NEW 浴 VIEW」(ニュー・ヨク・ビュー)ってことなんだけど、どうしてこれを作ったのかと言えば、パルコとPsychic VR Labとロフトワークによる共同プロジェクト「NEWVIEW」が主催するファッション、アート、カルチャーの分野にVR、AR、MRの普及を目的に開催している「NEWVIEW AWARD」の作品募集のプロモーションのため。えー、つまり、NEWVEW AWARD 2020の作品募集のためにEVISBEATSと組んで最後の手段が制作した作品ってこと。

このMVの舞台になっているのが異次元世界のお風呂屋さん。「異次元浴場へようこそ。ここは山の神さまのご好意より、無料にて解放させていただいております お湯場です。老若男女どなたさまでもご入浴できます。お湯場には、あの世この世から様々な生き物が湯治に来ております。ぜひとも変態おじさんの気分で、お湯の中をお遊び 下さいませ」とのこと。ただし「入浴心得」には、局部を綺麗に洗いましょうと書かれている。最後の手段でイラストや人形制作などを担当している有坂亜由夢は、Instagramにこう感想を述べていた。

「今まで作ってきた陶器・紙粘土・布の人形、絵をCG化する作業は素人の我々にはとても大変な作業でしたが、試行錯誤してなんとか出来ました……キャラクターをCG化していく上で、微粒子が集まって形成されていく美しさや、生を受けてから奇怪な動きをする彼等のギャップがとても面白くて、爆笑と絶望を繰り返しながら作っていた作品です」

YouTubeでは、奇妙な生き物がいろんな場所でいろんな人たちがEVISBEATSの歌に合わせて踊ってる様子が見られるが、アプリストアからSTYLYのアプリをスマホかタブレットにインストールすれば、きちんとARで「入浴」が楽しめる(Android版もiOS版もあり)。アプリをインストリールしたら、STYLYのこのページにあるQRコードを読み込んでんでね。もちろん、メジャーなVRゴーグルにも対応してる。

ボクのiPhone7では性能的に厳しいところもあるけど、音楽が聞こえるまで根気よく待てば、それなりに楽しめた(バッテリーが一気に減るけど)。自分の部屋で変テコな生き物たちが踊ってる。まさに「日常と非日常の狭間」。これから、こんな狭間MVや狭間CMが増えてくるんだろうね。どんな展開が起きるのか楽しみ。ただひとつ確かに言えるのは、iPhoneを買い換えなきゃ、ってことね。

そうそう、最後の手段の最新作、オオルタイチ・スペシャルバンドの「HOTOKENO」のMVがほっこりするので紹介しておこう。

金井哲夫

雑誌編集者を経て、フリーランスで翻訳、執筆を行う。