韓国のシンガーソングライター、ソグムは、ヒョゴのボーカル、オ・ヒョクとのコラボによるニューシングル「Yayou Hoi」をリリース。そのMVがなんともポップで可愛らしい。
Yayou Hoi(야유회:ヤユフェ)とは漢字で書くと野遊会。ヤユフェとは、韓国の企業でよく催される日帰りの社員旅行みたいなイベントのこと。でも歌詞は「どうしてそんな言い方するの? どうしてそんな目で見るの? 私のパパとママの前でもそんな言い方できる? どうしてそんなに冷たいの?」と不満を言い続ける。
それにしても、なんでタマゴ? ラーメン? ニワトリ? めちゃくちゃ楽しいビジュアルで、歌詞とマッチしない。なんだこりゃ、と困惑していたら、制作を担当したバンサン・キャスタン監督が、こんなインスタを投稿していた。
キャスタン監督は、新型コロナのせいで韓国へは行けず非常に残念だったが、リモートでなんとか頑張ったと話している。ソグム側からの提案は「いっしょに森へタマゴを食べに行く」というもので、このアイデアにスタッフ全員がめちゃくちゃ燃えたとのこと。この楽曲自体はソーシャルメディアの批判なので、MVで描いている世界とは関係ないという。「しかし、よく見ると何らかのアナロジーが、深い意味が見つかるはず」とのことだ。
キャスタン監督はフランス人映像作家。国際ビジネスと中国語の修士号を取得し、インドで父が始めた事業を手伝っていたが性に合わず、趣味の建築のフォトモンタージュ(写真要素のコラージュや二重露光などを使って写真を合成する技法)に没頭した。やがてフランスに帰り、それを動画に発展させようと、独学でアニメーション制作を学び、初めて「アーキテクチャルポルノ」(建築の魅力を引き立てる映像)作品を完成させたとき、これを本業にしようと決意したそうだ。
ちなみに、ソグムとは韓国語で塩という意味で、彼女が学生時代に付けられたあだ名だそうだ。塩とタマゴは合うよねー。でもそれはどうも関係ない。むしろ、韓国人はゆで卵が大好きで、何かにつけてゆで卵を食べる習慣がある。タマゴはいわば韓国人のソウルフードなわけで、なんか意味がありそうだ。最後に食べる金のタマゴが気になる。
キャスタン監督の別の作品も紹介しておこう。これはフランスのミュージシャン、ジャックの「Dans La Radio」。ラジオで自分の声を初めて聞いたけど変な感じ……、てな歌です。激しいフォトモンタージュながら、しっとりお馬鹿な感じがトレビヤーン。