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アゼルバイジャン軍の今どきなメタル軍歌
「撃て撃て!」にゲシュタルト崩壊

金井哲夫 Dec 23 2020

アゼルバイジャン共和国国境警備隊がメタルな軍歌MVを公開した。「撃て撃て 勝利だ勝利だ 敵を憎め! 故郷に敬礼…」日本人からすると時代錯誤な戦意高揚歌謡だが、これってギャグ?本気?彼らの真意が気になる。

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アゼルバイジャンとアルメニアが、またしてもナゴルノ・カラバフ自治州の領有権を巡って武力衝突を起こした。とか言って、アゼルバイジャンがどこにあるのか、アゼルバイジャン人がどんな顔をしていて、何をおかずにご飯を食べているのかとか、ぜんぜん知らなかったのだけど、ソ連時代からずーっと領土問題で揉めているのね。

9月の末に大規模な戦闘が発生してニュースになったけど、アゼルバイジャン共和国国境警備隊は、9月、こんなMVを公開した。ヌルグループという軍服姿のロックバンドの演奏に合わせて、アゼルバイジャンの人気歌手ケイフン・ゼイナロフとナルミン・ケリンベヨワが薄ら笑いを浮かべて高唱するのは「アテシュ・アテシュ」(撃て撃て)という歌。アゼルバイジャン語はぜんぜんわからんので、機械翻訳の力を借りて歌詞の前半だけざくっと訳してみた。

太陽のように永遠の戦士がいる
正当な土地を手に入れるまで
もう時間がない
我らのカラバフは復讐を求めている
武器を抱いて敵を殲滅しよう
撃て撃て
勝利だ勝利だ
敵を憎め!
故郷に敬礼

とまあ、日本人からするとめちゃくちゃ時代錯誤な戦意高揚歌謡。ナルミンちゃんがテレビでこれを歌ってる映像があるんだけど、やっぱりおっかない。

映像的には、大半がアゼルバイジャン共和国国防省の資料映像を編集して作られている。ロックンロールは愛と自由と平和を歌うもんだと思い込んでいたお花畑なボクは、このメタル軍歌を聞いて頭がぐるぐるしてしまった。慈悲深い仏様にLINEでブロックされちゃったぐらいの衝撃。戦争やめてー。映像や音楽を戦争の道具にするの、やめてけれーゲバゲバ。

雑誌編集者を経て、フリーランスで翻訳、執筆を行う。

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