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自信が欲しければスポーツで獲得なさいと
コミカルに訴えるNike ChinaのCM

金井哲夫 Dec 26 2019

大金持ちの主人に「腔調(自信、意気揚々、やる気)」が今夜のパーティーに欲しいからすぐに持ってこいと命令され、街中を奔走する召使い。彼は無事「腔調」をゲットできるのか!?

dir
Finn Keenan
prod co
Riff Raff
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Nike ChinaのためにロンドンのプロダクションRiff Raffが制作したCM。冒頭には、タイトルの一部にもなっている「Qiang Diao」という言葉の意味が示されている。漢字で書くと「腔調」。本来は、語気を強めという意味らしいが、ここでは「自信、意気揚々、やる気」という意味だと解説されている。

上海の大金持ちが、召使いに「腔調」が今夜のパーティーに欲しいから、すぐに持ってこいと命令する。気弱な彼は、腔調を探して街に出る。まずは高級用品店で買おうとするが「売り物ではない」と断られる。その後、次々とスポーツに打ち込む人たちと出会い、どこにあるかを尋ねる聞が、誰も答えてくれない。しかし、さまざまなアスリートたちと種々のスポーツを体験するうちに、彼はスポーツに目覚め、ついに気付きが訪れる。

自信に溢れ、意気揚々と主人の屋敷に戻った彼は、「腔調は手に入ったか?」と聞かれ、「ええ、手に入りました」と答える。そして、「もう辞めてやる!」と召使いの制服を脱ぎ捨てる。最後に「腔調が手に入った」とテロップが出ておしまい。腔調が欲しければ、スポーツで汗を流して自分で獲得しようね、というメッセージだ。

これには、上海で有名なアスリートたちが数多く出演している。街中に貼られているNikeの腔調キャンペーンのポスターでは、彼らがスポーツを通じて腔調を手に入れた方法が短いメッセージで語られている。

監督はアイルランド出身でロンドンで活躍するフィン・キーナン。2011年にアイルランドの国立映画学校を卒業したという若い監督だ。十代のころからMVを見ては、そこで使われている特殊効果を真似て、友人とショートフィルムを作っていたという。学校を卒業後すぐに地元のアーティストのMVの監督を開始し、2013年にロンドンに進出してからはMVの他にCMも数多く手がけている。

キーナン監督は、自分の作品のことを「シュールなコメディー、強烈なビジュアル、パフォーマンスビデオを組み合わせて、見る人が身を乗り出すようなトリッキーで物語性のある実写映像に結合させたもの」と表現している。

それがよくわかるのが、彼が監督したMKの「Back & Forth」のMVだ。撮影風景はDirectors Notesの記事で見られる(スチールだけど)。

雑誌編集者を経て、フリーランスで翻訳、執筆を行う。

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