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ヤングジャンプ40周年記念スペシャルムービーが
シンプルでディープでハマる

金井哲夫 金井哲夫 Jun 12 2019

1979年創刊の漫画雑誌「週刊ヤングジャンプ」が40周年を記念したスペシャルムービーを公開! 音楽はtofubeats。今回は監督を務めた辻川幸一郎氏に制作に関してのコメントをもらった。

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Koichiro Tsujikawa
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tofubeats
Shueisha / Weekly Young Jump
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1979年創刊の集英社の漫画雑誌「週刊ヤングジャンプ」の40周年を記念して作られたスペシャルムービー。監督は映像作家でアートディレクターの辻川幸一郎。CMやMVを数多く手がけ、とくにコーネリアスとのコラボは定番になっている。また、5月に開かれたGLASSLOFT展では、コーネリアスとのコラボ作品「てっちゃん」が大変に話題になった。

まずは、創刊当時から現在までの代表的な表紙が、そのころ流行っていたものといっしょに示される。80年代は松下進のイラストの表紙とインベーダーゲームやルービックキューブ、90年代は広末涼子の表紙に CD プレイヤーやたまごっち、2000年代はガラケーにパソコンに iPod、2010年代はハンドスピナーやタピオカ。その時々の小物と並べてみると、なつかしさがこみ上げてくる。

そして本番は、ヤングジャンプで連載された漫画作品86タイトルから、お馴染みのキャラクターが連続で現れる部分。音楽は tofubeats。書き下ろしの「What Is Young?」という曲は、バスドラが一小節に4つ鳴る「4つ打ち」に合わせて、とんとんとキャラクターが現れる。その切り替わりが途中から4倍速になり、やがて違う漫画のキャラクターたちの動きが連続して流れができてくる。どう見ても、CGだとかなんだとかハイテクな効果は使われていないようだ。コツコツとコマ撮りするのもさることながら、膨大な作品とコマの中からうまくつながる絵を選ぶのも大変な手間だ。ホントのところはどうなんだろう。そこで、辻川監督に聞いてみた。

「ヤングジャンプの漫画を使用して映像を作るという企画をいただいて、まず最初に漫画素材にモーショングラフィック的な動きやエフェクトをつけるのを禁じ手にしました。できるだけシンプルでディープな原理を探って、歴史の流れを表現する40年分のキャラクターを使ったパラパラマンガの方法論に行き着きました」とのこと。やっぱりそうだったのね。

音楽もそれを想定してtofubeatsと組み立てている。「tofubeatsさんには4つ打ちの曲を依頼しました。1打ちに各10年代をあてて×4打ちで、40周年を表現するのにピッタリなので」という。

ところで、最初の表紙や各時代に流行ったものが映し出されるシーンも、「時代を表す小物といっしょに実写でコマ撮り」にこだわったそうだ。雑誌としてのシチュエーションを重視したのだそうだ。漫画キャラクターによるアニメーションの後には、表紙と小物のさらに強化されたコマ撮りシーンが続く。

使用した漫画作品は基本的に編集部の方針で選ばれているが、「漫☆画太郎先生の作品だけは僕が希望して入れさせてもらいました」と辻川監督。いやあ、漫☆画太郎とは、ヤバいというか、めちゃくちゃ好感が持てる。

ざーっと高速にキャラクターが出て来る場面は、適当にポーズして現れたキャラクターがなんの漫画のどの登場人物かを言い当てる、なんて遊びに使えたりして楽しい。一発目に谷岡ヤスジのが出たときは、ものすごくハッピーな気分になれた。

金井哲夫

雑誌編集者を経て、フリーランスで翻訳、執筆を行う。