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最新コーネリアスMVはマインド・ブロウイングなサーフィン映像「Surfing on Mind Wave Pt2」

kana kana Oct 29 2018

2018年のコーネリアスツアーのために制作された辻川幸一郎によるライブ映像が、再び、MVとして公開された。「Surfing on Mind Wave Pt2」は、サーファー主観で波のトンネルをくぐり抜けていく、マインド・ブロウイングなビジュアルだ。

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spell of vanishing loveliness」に続いての公開となった「Surfing on Mind Wave Pt2」も、前作同様、楽曲がインスピレーションとなった作品だ。「ビートがなく、ウネウネと変化しつづける音像なので、ワンショットの波の映像が最適だと考えました」(辻川)。

途切れることのないメロディに乗せ、立体的に変化しつづける奇妙な形の波が誘う、モノクロのチューブライドの旅。「この曲はシンプルなようで、15秒おきくらいに展開があります。ほぼすべての音の変化要素に、風景のどこか(波の高さ、進むスピード、水滴、太陽…)がシンクロしています。Mind Wave(マインドウェーブ) というタイトルなので、精神世界の波をイメージして、水墨画のような不思議なトーンにしました」(辻川)。

ライブ映像として完璧な音とのシンクロで展開するが、オンラインでは、ループ再生すると永遠に続くチューブライド映像として楽しめるよう、映像の最初と最後の画がまったく同じになっている。波のトンネルの先には太陽が鈍く輝き、ときに点滅しながら、ヒプノティックでディープな空間へと没入を誘う。

横軸に曲の尺が描かれている絵コンテ

ありそうでなさそうな、このサーファー主観の波のトンネル。辻川氏がこだわったという“水墨画のようでリアリティのある質感”。この課題を解決したのはJITTO(VFXスタジオ)のオンラインエディター、坂巻亜樹夫氏。「主観映像で進んでいくCGは、一歩間違えるとゲーム画面のようになってしまいます。坂巻くんは天才肌で、カメラにかかる水や揺れなどの、作り込みと落とし込みのセンスが本当に素晴らしく、絵画的な質感を損なわないように仕上げてくれました」(辻川)。

そして、このビデオの主役は、誘い込まれるような波のトンネル。辻川氏が目指したのは“捻れ、繋がり、ループする、メビウスの輪のような主観映像”。なんと、その世界をフルCGでMARK(VFXスタジオ)が制作している。辻川氏は、MARKの代表でもありCGアーティストの犬童宗恒氏のことを「シミュレーションをベースに、色気のあるアニメを作れる稀有な人」と表現する。

監督とCGアーティストの間のやりとりは、絵コンテとVコン(ビデオコンテ)、多くのトライ&エラーに、数えきれない打ち合わせを重ねて行われた。カットなく変化しつづける主観映像のため、絵コンテは巻物のような形状の紙に、長いグラフ状の抽象図形を描いて代用。そのイメージを補強するために、サーファーがGoProで撮影したチューブライドの映像を使い、Vコンも制作。「現実にはあり得ない波の表情を、クオリティ高く作ることが必須だったので、CG開発は苦労しました。永遠に途切れない波の風景がこんなに難しいものだったとは…。ですが、犬童くんと坂巻くんの、最高に豪華な組み合わせで実現できたのは、本当に嬉しかったです」(辻川)。MARKはコーネリアスの同アルバムでは「あなたがいるなら」(2017)の映像も手がけている。ぜひこちらも併せて楽しんでほしい。

前回の「spell of vanishing loveliness」インタビューでも触れていた、オジリナルコマ撮りアニメーションの進捗について聞いてみた。

「完成して、コーネリアスの今回のホールツアー(10/3 福岡より)から、「Mellow Yellow Feel」の映像が新たに加えられました。黄色だけのクレイアニメで、自宅で一人で撮影したものです。スタッフのいない孤独な作業は、久しぶりに良い経験になりました」(辻川)。

現在は、CM制作などの合間を縫って、オリジナルキャラクターで人形アニメを自主制作中だそう。来年にはパイロット版がお目見えするという。期待して待ちたい。


Cornelius “Surfing on Mind Wave pt 2”制作スタッフ
プロデューサー: 浅野早苗(GLASSLOFT)
プロデューサー: 矢野健一(Spoon.)
制作: 小林洋介(Spoon.)
演出: 辻川幸一郎
オンラインエディター: 坂巻亜樹夫(jitto)
CGプロデューサー:貞原能文(MARK)
CGディレクター:犬童宗恒(MARK)
CGアニメーター:羽沼久貴、今津武志(MARK)
CGプロダクションマネージャー:成田大輔(MARK)

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bykana

NEWREELの編集者。コツコツと原稿を書く。