7月に発売されたD.A.N.の2枚目のアルバム「Sonatine」に収録されている「Sundance」のMVは、3年ぶりとなるオオクボリュウ監督とのコラボだ。前回と同じく、D.A.N. のミニマルなサウンドに、イラストレーター、映像作家として知られるオオクボリュウ監督のアニメーションが絶妙にはまっている。
2015年に7月に公開された「Ghana」の MV でもキュートなアニメーションが楽しめたが、今回は、実写映像や手描き風の3Dアニメーションを取り混ぜた盛りだくさんな作りになった。
オオクボリュウ監督はイラストレーターとしても活躍しているので、その絵を街の中や雑誌などで見かけることが多い。その独特な可愛らしいキャラクターたちも魅力だ。
実写映像を受ける形でアニメーションが展開されるという細かいパターンが続く。7分間と意外に長い曲なのだが、次はどうなるの? と期待が連続して、いつまでも見ていたい感じになる。たとえば、冒頭43秒あたりに出てくるドーマー(天窓みたいなやつ)がパタパタする家で、もう笑いたくなる。4分46秒あたりの、中央の顔がそっちを見ると、昇りかけた太陽がピョッと引っ込むところなど、そこはかとないユーモアがたまらない。
Sundance の歌詞は、「空回るエモーション」「気が気じゃない」「狂おしいほど不安」といった言葉が並ぶ、ちょっとネガティブな印象だが、最後は「パラシュート開いてごらん」と優しい言葉に救われる。軽快でミニマルなビートとユーモラスなアニメーションが、狂おしいほどの不安を軽減して、元気付けてくれているようだ。