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変わりに変わって最後にオチがつく
イケアの MV 風キャンペーン CM「The Wonderful Everyday」

金井哲夫 May 2 2018

インディーバンドTelemanをフィーチャーしたMV風のイケアUKのキャンペーンCM 。音にあわせてカーテンやラグなどのファブリックインテリアが目まぐるしく変わる楽しい映像だ。

dir
Oscar Hudson
prod co
Framestore
a
Mother
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インディーバンド Teleman をフィーチャーした MV 風のイケアの CM。彼らの曲に乗って、部屋の家具やカーテンや敷物の色や模様が変わってゆく。「音楽が私たちのムードを変えることはみんな知ってますが、テキスタイルを変えてみたらどうでしょう?」というのがこの CM のコンセプト。ファブリックを変えてみるだけで、部屋の雰囲気が大きく変わることを表現している。

これはイケア UK の「The Wonderful Everyday」(素晴らしい毎日)というキャンペーンの一貫。つい先日も、同じ広告代理店 Mother が制作した「Ghost」というかわいい CM がイギリスで放送されている。

ポストプロダクションの Framestore は、バンドの衣装やクッションの柄や家具などを変えた場面を山ほど撮影して、スタジオで切り貼りし、トーンとつながりを整えた。歌が始まると、画面は4:3に切り替わるが、レトロな雰囲気を出すためだという。

監督は、昨年発表した Bonobo の「No Reason」の MV で、大手広告代理店 Saatchi & Saatchi の「ニュー・ディレクターズ・ショーケース」に選ばれ、Young Director Awards! では「ゴールド・スクリーン」賞を受賞したオスカー・ハドソン氏。

「The Wonderful Everyday」本編の途中から、家具ばかりか、犬やらバンドが持っている楽器までどんどん変化してゆく。最後には持っていた楽器はすべてオモチャになり、ドラマーがそれを抱えて長椅子のしたの収納に片付けるというオチがつくという、とてもユーモラスな内容になっている。

ここで使われている Teleman の「Repeater」という歌は、「夜に彼女がやってくる。気をつけろ。ワナを仕掛けて、タコに餌をやってる。今夜は寝かせてもらえない」みたいな際どい歌詞なんだけど、テレビ CM としてどーなんだろうと心配になる。まあ、余計なお世話か。ちなみに、Teleman は、イケアの CM とは別に、この曲のぜんぜん違う雰囲気の MV を制作している。

雑誌編集者を経て、フリーランスで翻訳、執筆を行う。

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