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SXSW審査員賞を受賞!
過去の女を全員引きずる独身男性の幻想と現実の物語

金井哲夫 Mar 16 2018

オーレン・ラヴィーと聞いてピンとこなくても、デビュー曲「Her Morning Elegance」の MV を観れば「あーあの人か!」とわかるかもしれない。そんな彼の新作 MV は、過去の女性たちのことを忘れられない男ゴコロをうまく表現した作品だ。

dir
Oren Lavie
pr
Rachel Vaserman
cho
Maya Brinner
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イスラエルのミュージシャンで映像作家のオーレン・ラヴィーが2017年に発表した「Bed Room Crime」の中のシングルカット「Second hand Lovers」の MV だ。

今、テキサス州オースティンで開かれている世界最大のクリエイティブ・ビジネス・フェスティバルSXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)のミュージックビデオ部門審査員賞を受賞した。

「Bed Room Crime」は三部作になっていて、これはその2つめ。ひとつめは「Did You Really Say No」で、去年の3月に公開されている。

ラヴィーは、2009年のミュージシャンとしてのデビュー曲「Her Morning Elegance」の MV がグラミー賞にノミネートされ、今日までに YouTube で300万回以上再生されるなど、かなり話題になった。

今シリーズは、ラヴィーの初の監督作品となる。これまでに付き合ってきた女性の面影と一緒に暮らす独身男性 (ラヴィー本人が主演している) 。女性たちは、彼の望みどおりに、みな同じ動作をする。しかしそこへ現実の新しい彼女が登場し、面影たちと現実の女性との間で、彼はどちらを取るか葛藤する。

やがて現実の彼女も去っていき、その直後に彼女も面影の集団に加わって微笑む。

歌詞の内容は、なんだか冷めて来ちゃった恋人同士が、なんとなくベッドを共にするといった感じ。まるで「間接的な恋人同士」のようだと歌っている。

幻想の彼女たちの独特な動きは、イスラエルの舞踏家で振り付け師のマヤ・ブリンナーによるもの。

まあ、過去の女をいつまでも引きずるダメさ加減満点な男に見えるけど、このメローな歌と映像に、「男って、そんなところがあるかもねー」なんて同情してしまう。


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雑誌編集者を経て、フリーランスで翻訳、執筆を行う。

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