東京オペラシティアートギャラリーで開催中の企画展、トム・サックス「ティーセレモニー」展。いよいよ6月23日(日)の閉幕までラスト一ヶ月となった。
2012年から本格的に茶道を学び始めて以来、日本国内での発表を念頭に置いてきたサックスの日本の美術館では初の大型個展。「ティーセレモニー」は2016年、ニューヨークのノグチ美術館での展覧会のために制作され、その後「Space Program: Europa」 (2016-17)の一環として、サンフランシスコのイエルバ ・ブエナ芸術センター、そしてナッシャー彫刻センター(2017-18)に巡回。日本の伝統的な茶の湯の世界と、それを取り巻く様々な儀礼や形式を独自の解釈で再構築した作品が発表されている。 庭(「内露地」「外露地」)、手作りの合板の茶室、ボーイング747機の設備をより機能的にしたトイレユニット(「雪隠」)、鯉が泳ぐ美しい佇まいの池、そして様々な門も登場し、体感型の空間となっている。
展覧会では上記のインスタレーションに加え、サックスが制作してきた様々な茶道具を紹介する。日々の暮らしや営みから派生した複雑なサブカルチャーに対する、サックスの20年にわたる模索を反映した映像作品《ティーセレモニー》も、ジオデシック •ドーム状のシアターで上映中。未見の人もリピーターも、ラスト一ヶ月、トム・サックスの世界を体感しつくそう。