イラストレーションから出発し、60〜70年代のアメリカのサブカルチャーやアンダーグラウンド雑誌、古い写真などからインスピレーションを得た作品を発表してきた五木田智央。90年代後半に雑誌「BARFOUT!」に依頼され描き上げたUAのドローイングが表紙に抜擢されるなど、熱狂的な支持を得るようになった。その後、キャンバスにアクリルグワッシュで描くモノクロームの人物画を中心に制作するようになり、ニューヨーク、ロサンゼルス、ベルリンなどでも作品を発表し、高い評価を受けている。
今回の展覧会「PEEKABOO」では、大規模なインスタレーションを含めた約40点の作品を展示。本展のために描き上げた新作「Come Play with Me」のほか、展示作品のほぼ半数は新作となるため、五木田が積極的に取り組んでいる現在の絵画スタイルが十分に堪能できる内容となる。
また、大のプロレスファンである五木田が2002年から手がけているプロレスラーをレコードジャケットのフォーマットに描いた作品も出品。全221点にもなる一連の作品は、プロレスラーの名前や似顔絵とともに、50年代以降のアメリカのヒットソングやジャズのスタンダードナンバーなど実在する楽曲タイトルで構成されており、プロレスと音楽をこよなく愛する五木田の個人的な嗜好にも触れることができる。