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鮮烈な色使いと独自の表現様式で観る者を異世界へと引き込む──ヤン・フードンの個展がエスパス ルイ・ヴィトンで開催中

NEWREEL NEWREEL Jan 22 2018
THE COLOURED SKY: NEW WOMEN II (彩色天空 : 新女性 II) 2014年 (c)Yang Fudong. Courtesy Fondation Louis Vuitton

中国を代表するカラーフィルムアーティスト、ヤン・フードンの展覧会「The Coloured Sky: New Women II」がエスパス ルイ・ヴィトン東京で開催中。会期は2018年3月11日まで。

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本展は、パリにあるルイ・ヴィトン財団の美術館「フォンダシオン ルイ・ヴィトン」が所蔵するコレクションの中から、主に未公開の作品を世界中のエスパスで紹介をする「Hours-Les-Murs(壁を越えて)」プロジェクトの一環となっている。今回、表参道のエスパスでは、中国のアーティスト、ヤン・フードン(Yang Fudong)による5チャンネル・ビデオ・インスタレーション「The Coloured Sky: New Women II」(2014)を公開している。

ヤン・フードンは、画家としての教育を受けつつも、近年ではビデオ、映画、インスタレーション、写真など、絵画とは違った表現方法で作品群を発表してきた。中国の伝統を重んじながらも新しさを感じさせる映像美は、劇的な存在体験をもたらすとされ、中国を代表する現代カラーフィルムアーティストとしての地位を確立した人物だ。

ヤン・フードン ポートレート (c)Fondation Louis Vuitton / Felix Cornu

フードンの映像作品は、沈黙の中で振り付けのように決められた身振りを行う現実味を欠いた登場人物たちがマルチスクリーンに映し出され、観る者を完璧なる美の世界へと引き込むのが特徴だ。

THE COLOURED SKY: NEW WOMEN II(彩色天空 : 新女性 II) 2014年 ビデオ ・インスタレーション、カラー、音声 15分48秒 (c)Yang Fudong. Courtesy Fondation Louis Vuitton

これまで35mmのモノクロの映像作品を基本としていたフードンだが、本作は圧倒されるほどの鮮烈な色使いで展開される、初のカラー映像作品というところは注目すべき点のひとつであろう。
5つのスクリーンに広がる浜辺のセットは、鮮やかな色彩とともに人工的な趣を漂わせており、そこへひと昔前の水着を身につけた若く麗しい女性たちが登場する。

各スクリーンには、太陽、海、浜辺、遊び、食べ物、西洋美術についてのメッセージが込められ、そこには女性たちとは別に生きた馬と剥製の雄鹿が映し出される。これは「何が真で何が偽であるか」を諭す中国の故事「鹿を指して馬となす」の引用とされ、中国と西洋の伝統や文化を様式的に取り込むフードンの典型的作風が堪能できる個展だ。

フォンダシオン ルイ・ヴィトン コレクションの中の中国(2016年1月-8月)展示風景/THE COLOURED SKY: NEW WOMEN II (彩色天空 : 新女性 II) 2014年 (c)Yang Fudong. Photo Fondation Louis Vuitton / Martin Argyroglo
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NEWREEL編集部