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「スイミング・プール」の作家、
レアンドロ・エルリッヒの過去最大の個展

NEWREEL Nov 1 2017

国際的に活躍するアルゼンチン出身の現代アーティスト、レアンドロ・エルリッヒの個展が、11月18日(土)より六本木の森美術館で開催される。日本では、金沢21世紀美術館に恒久設置されている「スイミング・プール」の作家として知られている。

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大型のインスタレーションから映像まで、彼の作品は視覚的な錯覚や音の効果を用いて、私たちの常識に揺さぶりをかける。一見、どこにでもある見慣れた風景なのに、よく見ると、水がないのに舟が浮かんでいたり、人々がさまざまなポーズで壁に張り付いていたりと、その異様な光景に驚きと違和感を覚えるだろう。

レアンドロ・エルリッヒ《スイミング・プール》2004年
所蔵:金沢21世紀美術館 撮影:木奥惠三 画像提供:金沢21世紀美術館
※参考図版、本展では、プロトタイプ模型と写真を展示

「自分が見ていることは果たして現実なのか?」という疑いを抱くとともに、いかに無意識のうちに習慣にとらわれて物事を見ているか、という事実に気づかされる。

本展は、エルリッヒの25年にわたる活動の全容を紹介する、世界でも過去最大規模の個展となる。1995年から2017年までに制作された作品のうち約40点を紹介し、その8割が日本初公開。

レアンドロ・エルリッヒ《建物》2004年
展示風景:ニュイ・ブランシュ、パリ、2004年 ※参考図版

特に人気があるのが「建物」シリーズ。床に置かれた建物のファサード(壁面)に寝転がると、鏡の効果で重力に逆らったようなアクロバティックな光景が生まれるという、大規模な体験型インスタレーションだ。

彼の作品を通して、惰性や習慣、既成概念がいかに私たちの認識に影響を与えているかに気づくことで、鑑賞後の世界も今までとは違って見えるはず。

NEWREEL編集部

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